岡本五郎先生と学ぶ 自然流 ぶどう作り体験 5日目 最終回

岡山吉備中央町ぶどうピオーネ

今回は最終日で、接ぎ木して植え付けたキャンベルの苗を持って帰る日です。
その為、今日の講義の重点は「苗の植付から育て方」という事になります。

□秋根と2番枝
果実収穫後、果実に取られていた栄養が根に向かい、根が伸び枝も伸びる。
この伸びた枝を「2番枝」というが、この枝は伸ばしてもあまり意味がない。
理由は、伸びることで栄養を使い、来年の貯蔵養分が減り、またこの枝は剪定で
切り落とす為、この枝内に貯蓄された栄養は使用されない。
摘心をして他の枝に栄養を逃がすようにする。

2番枝があり過ぎると、伸長した枝が扁平になる。
これを「やせる」という表現を使うが、本当に栄養を持っていかれているためである。

扁平になっていたら栄養を持っていかれているので、即摘心を行う。

□腋芽(来年の芽)
腋芽は9月終わりに休眠期に入る。
休眠には、自発休眠と他発休眠があるが、

自発休眠は、自ら休眠に入る為、生理的に無理に起こすべきではない時期。
ニンニクのすりおろしなどを付けて休眠を打破させる方法もあるが樹は弱る。

他発休眠は、人間に例えると布団の中に入っていて目は覚めている状態である。
時期は1月末頃から始まっている。
温度と水の条件が揃って芽が出ることになる。

□ぶどうは根がでるのが遅い
ももは3月頃からでるのに対しぶどうは5月頃からである。

出にくい条件は、
①昨年成らせ過ぎているなど、樹がくだびれていると伸びない。
➁水をあげ過ぎると根は伸びない。乾燥気味で根が水を探す方が伸びる。
③気温が暑くなると根の成長は止まる。
単純に暑いからではなく、暑い時期は栄養を果実へ注ぎ込もうとするためである。

□早期摘心
芽が出て新梢が30cmくらいに伸びた頃、2m中1~2本程度は強い新梢ができる。
これを「勝ち枝」と言い、逆を「負け枝」と呼ぶが、
勝ち枝は、栄養を吸い上げる面積も広いため、そのまま勝ち続ける。
その場合、負け枝は弱いままになるが、勝ち枝と負け枝を揃えるため、
この30cmの地点で勝ち枝に摘心を行い、負け枝に栄養を逃がし揃える。

これが「技術」であり、「最大の枝管理」である。

□仮剪定
枯れ枝を残すと病原菌発生の原因にもなるため、枯枝といらない枝を切っておく。
20㎝程度に切っておくと、枯れ葉と共に土に埋めやすい。

□実
樹の実力以上に実をつけない。
果実1gに対し、葉面積は10㎡必要である。

□芽が出る前の潅水
芽が出る前にはしっかり水をやる。
このしっかりというのは、「小雨のようにじっくり」という意味である。
水をしぶかせると病気の原因になる。
ホースなどで水をやる場合、水で土をたたくようにすると土が固まり、また一部だけ
穴が開いたようになり、そこに水の流れができる。

□土を挿す
棒で土を挿せば枝葉を見なくても管理が分かる。
棒を挿して、
30cm(25cm以上)スーッと入れば合格。
15㎝で詰まれば板層ができている。

□3月初めの根の吸水
本来、根が水を吸うのは、葉から蒸散するからであるが、3月初めの枝に葉はない。
蒸散ではなく、自ら水を取り込んでいる。
理由は、寒さが過ぎると酵素が働き始め、貯蔵養分のでんぷんが酵素により糖に変わる。
でんぷんが糖に変わることで、濃度が濃くなり水を引き込む。

この時に水が必要なのである。

この時の水の量は、30mm以上は意味がない>
雨が降っていれば十分である。
15㎝掘って見て湿り気を見る。

20mmの水で25cmの深さまで届く。

□根が伸びる時施肥をする
1年に1回施肥をするというのは間違いではないが、それは畑を熟知していてできることである。
1年間に必要な量と分解されなくなる量などが分かっていれば良いがなかなかそうはいかない。
実際には、必要な時に必要な量を上げることが望ましいので、根が伸びる時期に小分けに施肥をするのが望ましい。

□幼木の施肥は少しずつやる
始めの施肥の入れ過ぎは肥料濃度が高くなり過ぎ、新根が育たなくなる。

4月下旬 新梢が伸び出した頃追肥を行う。
窒素は1g。
3週間で効くので、3週間毎に施肥を行う。

8月は施肥を行わない。
栄養を伸びる方へ持っていかれ、伸長した部分は結局切るので捨てることになる。

□防除
濃い液で防除をしても意味はない。
最大の効果は、薄い膜を張るイメージで「薄めの液をびっしょり掛ける」である。
ムラは菌糸から見れば農薬の効果はない。

□堆肥
1㎡=2kg、10a=2t などの基準はあるが、
その堆肥の中にいくらの肥料分が入っているかが必要で、堆肥も窒素分など計る必要がある。

□土壌診断
主に必要なのは、pH,EC、硝酸、カリイオンで、各時期を調べ推移を知る。
カリは、ワラなどによりカリ過剰にもなり、水に流れるのでカリ欠にもなる。
簡易チェックで、
カリ 25~50ppmの範囲
EC 0.2以下
硝酸 25~50ppmの範囲

簡易なので毎月調べる。

□苗の管理と鉢植え、コンテナ植え
□苗の冬場の管理は、
①11月下旬までは葉を維持しておく。
②その後50cm程度まで苗木を切り、葉も落としておく。
③20㎝の溝を掘り土に埋める。※水が溜まると樹が死ぬ

土に埋める理由は、「湿度の保持」である。

□鉢、コンテナ
10L 1~2房
40L 3~4房
※キャンベルの場合

□堆肥
4分の1~5分の1は堆肥を混ぜる。
りんを最初に混ぜておく理由は、リンは移動しないからである。
リンは混ぜておかなければならない。

□植付時の切り戻し
枝も根も切り戻さなければならない。
理由は、接ぎ木後の部分は生育が悪いため、残すと悪いパイプを残すことになる。
芽も2芽残っていれば十分である。

樹冠は根の4倍が丁度良く、ピオーネの根は30~40㎡が丁度良い。
根の切り戻しは15㎝程度まで切り、悪い条件で育った部分を切り戻す。
根は将来直径5cmになるので、お互い締め付け合わないように四方へ広げ埋める。

枝の切り戻し時の断面は、直角に切る。
切った断面の面積を小さくする。

根は土の中が30℃以上になることを知らない。
25℃までしか成長しない。
鉢植えなどでは30℃を超えることもあり、鉢を土に埋めることも検討する。

土は毎年減る。
減る理由は、有機物の分解である。
堆肥を補充するのは必要。

根を3分の1以上切るのは危ないので、部分深耕で切る場所を決めておく。

枝を伸ばす際は、巻きひげは切る。
撒きひげを絡ませると枝が回転し、芽の向きが揃わないので、枝を垂らすようにしておく。

□試飲の結果
甘いだけだと甘だるく感じ飲むことはできない。
酸味の量はお好みではあるが、酸味があって美味しいと感じる。

この好みに関して全体で見てみると、
甘さだけでは全く人気はない。
また、酸味が強すぎても人気がない。
しかし、酸味が強すぎる場合、好きと言う人も少人数いる。
これが特徴であろう。

個人的には少し酸味が強い方が美味しいと感じるが、
全体では少し甘い方が優勢と判断した。

何か加工品を作る際に参考になるデータである。
ぶどうに関しては酸っぱさを求めているより、甘さを求めているのかもしれない。

全5回と通して、岡本先生が大学で研究されてきた内容をまとめて教えてもらう形で
非常に勉強になった。
今では常識となっているものも多くあるが、なぜそれが常識となっているかの話が
メインで自分の行っている作業の意味を理解することが出来た。
作業の手順は誰でも教えることが出来るが、考え方は学ばなければ理解できない。
その考え方を学ぶ機会であった。
作業の連続だけでは進歩はない、考え方が分かれば対応、解決など応用が利く。
教えるとはこのことであろう。
素晴らしい先生でした。

最後に卒業証書を受け取り終了となる。
アグリスジャパン天空のピオーネ農園
秀吉

 

 

 

 

 

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